「薬剤師の仕事がつまらない。。」
こう思っている薬剤師って、けっこう多いと思います。
実は僕も、かつては「薬剤師、おもんな」と思っていました。
仕事がつまらないのは、けっこうツライものがありますよね。
そこでこの記事では
- 薬剤師の仕事がつまらない理由
- 楽しく薬剤師として働くコツ
についてまとめてみました。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
では本題へ。
薬剤師の仕事がつまらない理由
薬剤師の仕事をなぜつまらなく感じてしまうのか。
それは薬剤師の仕事に裁量が少ないことが主な原因でしょう。
薬剤師の仕事がつまらない主な原因は裁量が少ないから
裁量が少ないということは、自分の判断で進められる仕事の範囲が狭いということです。
薬剤師の主な仕事は
- 調剤
- 鑑査
- 服薬指導
の3つだと思います。
でも、これらの仕事って裁量がほとんどないですよね。
調剤は処方せん通りに薬を用意することだし、鑑査は処方せんに不備がないかの間違い探し、服薬指導はある程度の裁量はあるものの、大まかな指導の型みたいなのが決まっていることが多いのでルーチンワークになりがちです。
人間には「自分をコントロールしたい」という欲求がある
人間には「自分をコントロールしたい」という欲求があります。
これは直感的に誰もが分かるでしょう。
好きなことでも強制されたら嫌になってしまう
例えば、あなたはマンガを読むのが好きだったとします。
けど、
「〇〇というマンガを9時間拘束8時間で読め!」
と言われたらどうでしょうか?
たぶん、いくらマンガが好きと言っても、この条件だと「キツイな」と感じると思います。
マンガは自分が好きなマンガを時間に縛られず自由に読めるから楽しいのです。
仕事も裁量の幅が大きいと楽しい
これは仕事にも言えることで、
「それはあなたの判断でやっちゃダメ、こうやってください」
と強制されるとつまらなくなってしまいます。
僕は薬剤師以外にプログラミングしてアプリを作ったり、Webサイトの運営をしたりしてお金を稼いでいますが、「薬剤師と比べてどちらが楽しいか?」と聞かれると、オーナーシップが100%自分にある後者の仕事の方が面白いです。
薬剤師は一包化の判断すら医師の許可がいります。
これでは裁量の範囲が狭く、つまらなく感じて当然でしょう。
“裁量があるかどうか”は、仕事を楽しくやる上で非常に重要なのです。
自分をコントロールできないのはストレスになる
「明日の幸せを科学する」という本で紹介されていた実験が興味深かったので紹介します。
ある地域の老人ホームに入居している人に観葉植物を配りました。
そして入居者を2グループに分けます。
グループ分けは、以下の通り。
【グループ分け】
- 半数の入居者には、自分で観葉植物を世話をするようにと指示(自分でコントロールできる)
- あとの半数には、職員が観葉植物の世話をすると伝える(自分でコントロールできない)
で、入居者はその後どうなったか。
観葉植物を職員が世話したグループは、30%が死亡。
そして、自分で観葉植物の世話をできたグループの死亡はわずか15%でした。
自分でコントロールできない状態は、これほどまでに悪影響を及ぼすのです。
なぜ医師は無給でも働けるのか
この前、以下の記事を読みました。
無給医という問題が発生する根本的な原因は、大学病院にはそもそも医師を有給で雇う経済的な余裕がないことです。
たぶん普通の感覚だと、
「お金をもらえいない上に超長時間労働をやるとメンタルがやられる」
と思うんですよね。
それにも関わらず、なぜ医師は無給で超長時間を働けてしまうのか。
おそらくですが
- 医師は指示を出す側の人間で裁量の範囲が大きいから
というのが大きな理由なんじゃないかなと。
もちろん、バイトでもご飯を食べられるというのもあると思うのですが、裁量の大きさも超長時間労働をできてしまう要因の1つでしょう。
「薬剤師の仕事がつまらない」を脱却する方法
ここまで読み進めた人の中には
「制度上の問題で薬剤師の裁量がつまらなくなっているなら、どうしようもないじゃないか」
と思った人もいるでしょう。
けど、そんなことはありません。
やりようはいくらでもあります。
なぜかというと、あくまでも「つまらなくなりやすい」だけであって、全員が薬剤師の仕事をつまらないと思っているわけではないからです。
実は、薬剤師の仕事を楽しくやっている人には共通点があります。
薬剤師の仕事を楽しくやっている人の共通点
薬剤師の仕事を楽しくやっている人の共通点は何か。
それは
「常に工夫できることはないか考えながら働いている」
ということです。
楽しそうに働いている薬剤師の話
僕の以前の同僚に、とても楽しそうに薬剤師をやっている人がいました。
ある日、彼女がPCを一生懸命カタカタやっていたんですね。
で、あまりにも一生懸命だから、「何をやってるんですか?」と僕は聞いたわけです。
「私が入力した定形文、みんな使ってください!
早く薬歴を書いてとっとと帰りましょう(^ ^)」
彼女は薬歴を書く業務を効率化するために、PCの辞書機能によく使う定形文を入力しまくっていたのです。(例えば、”ぶ”と入力したら予測変換で「ブドウ糖を携帯しましょう」と入力できる)
実際、彼女のおかげで薬歴は爆速で終わるようになって、かなり生産性が上がりました。
当時の僕は「何でこの人は、そんなに楽しそうにしてるんだろう?」と不思議だったのですが、今思うと自分が工夫したことで周りに良い影響を与えられるのが楽しかったのだと思います。
仕事に臨む態度は自分で決められる
もし「薬剤師の仕事がつまらない」と感じているなら、まずは「どこか工夫できることはないか」を意識して働くと良いと思います。
「ゴミ箱をこっちに移動した方が、もっと効率よく仕事をできるのではないか」
みたいな簡単なことでも良いです。
意外と工夫する余地は、たくさんあります。
あまり自己啓発的なことは言いたくないのですが、制度を変えて薬剤師の仕事に裁量を増やすのは難しいですが、仕事に臨む態度を自分で決めることは決して難しいことではありません。
与えられた仕事を淡々とこなすのではなく、能動的に働くよう心がけるだけで「仕事がつまらない」という感覚はガクンと減ります。
「転職すれば薬剤師の仕事は楽しくなる」は大ウソです
最後に「薬剤師の仕事がつまらなかったら転職して環境を変えれば良い」という意見について。
ネット上には、
「薬剤師の仕事がつまらないと感じているなら、転職しましょう。
きっとあなたに合った職場が見つかります。」
と書かれていることが多いです。
果たして本当にそうなのでしょうか?
結論から言うと、「そんなわけないじゃん(笑)」と僕は思っています。
転職しただけで薬剤師の仕事が楽しくなるのなら誰も苦労はしません。
いま薬剤師の仕事がつまらないなら転職先でもつまらない
今の時点で「薬剤師の仕事はつまらない」と思っているのなら、転職してもつまらないままです。
なぜかというと、仕事内容よりも「能動的に働いているかどうか」が仕事の楽しさを左右するからです。
先ほど、楽しそうに働いている薬剤師の紹介しました。
彼女を例に挙げると、仕事は以下のようなループで楽しさを感じるようになります。
【仕事が楽しくなる過程】
- 薬歴入力を効率化する
- みんなに評価される
- 嬉しい
- もっと頑張る
- 以下ループ
まず、自分が何かしらのアクションを起こさないと、仕事は楽しくならないのです。
能動的に仕事できない限りは、他の職種・職場へ転職しても意味がありません。
つまらないと感じている薬剤師が転職を選んだ方が良い事例
基本的に薬剤師の仕事がつまらないという理由での転職を僕はオススメしません。
けど、転職を選んだ方が良い場合も実はあります。
それはどんな時かというと
- 仕事ができないキャラ
- やる気がないキャラ
が職場内で完全に確立してしまっている場合です。
なぜかというと、この状態から巻き返すのは難しいから。
自分のネガティブなイメージを覆すのはハードルが高いのです。
周りから評価されないと、仕事の楽しさは感じられません。
このような理由により、上記の条件に当てはまるなら「転職先では能動的に働く」と決意して環境を変えることをオススメします。
その方が薬剤師として楽しく働ける可能性は高くなります。
転職先は規模が小さめの職場を選ぶのがオススメ
仮に転職する場合は、規模が小さめの職場を選ぶのがオススメです。
なぜかというと、大手チェーンに比べると改善の余地がたくさんあるから。
大手チェーンは業務がすでに効率化されています。
(効率化された結果、大手になった)
一方、中小規模の職場は、改善できる業務がたくさんあります。
改善できることが多いということは、あなたが活躍できるチャンスもそれだけ多いということです。
このような理由から、もし転職するのであれば、僕は中小規模の職場への転職をオススメします。
満足度の高い転職を実現するための方法については、以下の記事に詳しくまとめました。
興味があれば、チェックしてみてください。
まとめ
まとめると、薬剤師の仕事がつまらない原因は裁量の範囲が狭いからです。
「この通りに仕事しろ」と言われたら、誰だってつまらないに決まっています。
ただし、楽しく仕事するコツといのがあって、それが能動的に働くこと。
これができないと、どの職種・どの職場でも仕事はつまらないです。
ちょっとしたことでも良いので、能動的に行動を起こしてみましょう。
きっと、ポジティブな変化が訪れるはずです。
では!