Twitterをみていると
- ずっと会社員としては働きたくない
- 好きなこと仕事にしたいからフリーランスになる
みたいな人たちが増えてきたように思います。
終身雇用の時代が終わり「会社に依存したくない」と考える人が多いのかなと。
それと同じような感覚で、薬剤師の中にも「薬剤免許への依存度を下げたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では
- 免許依存度を減らしたい薬剤師向けにポートフォリオという考え方
を紹介します。
僕自身、薬剤師以外に、プログラミングをしてWebサービス・アプリを作ったり、通訳案内士という資格を持っているので免許依存度は低めです。
なので、多少は参考になるかなと。
では本題へ。
薬剤師免許に依存したくない人が考えるべきポートフォリオ
最初に、「ポートフォリオとは何か?」について解説します。
ポートフォリオとは?
ポートフォリオとは株式投資などでよく使われる用語で、「卵は1つのカゴに盛るな」と表現されることが多いです。
たとえば、1つのカゴに卵を入れていると、カゴを落としてしまった時に全部の卵が割れてしまいますよね?
けど、複数のカゴに入れておけば、全ての卵が割れることはありません。
つまり、特定の株だけに投資するのではなく
「リスクを分散させるために複数の株に投資しましょう」
という考え方です。
ポートフォリオの考え方は会社も使っている
このポートフォリオの考え方は、会社にも適用されています。(事業ポートフォリオと呼ぶ)
例えば、SONYはウォークマンやTVなどの家電のイメージが強いかもしれませんが、エレクトロニクス事業のほかにもPlayStationのようなエンターテイメント事業や、ソニー銀行のような金融事業も行なっています。
このように1つの事業に集中してリソースを割くのではなく、経営資源を適切に配分することにより、1つの事業がダメになったとしても他の事業があるので、ダメージを軽減できるというわけです。
以上が、ポートフォリオの考え方です。
薬剤師個人もポートフォリオを考えると良いと思う
で、「薬剤師個人にもポートフォリオの考え方を適用させたら良いんじゃない?」というのが僕の主張です。
具体的にいうと、自分自身を会社であると考えます。
僕の場合だったら、tomoyuki kato株式会社みたいな感じです。
まず、tomoyuki kato株式会社は、薬剤師事業しかやっていないと仮定しましょう。
この場合、tomoyuki kato株式会社のリソースは以下のように配分されていることになります。
【tomoyuki kato株式会社】
薬剤師事業:100%
tomoyuki kato株式会社が薬剤師事業しかしていない場合、薬剤師事業に100%リソースを注いでいるので、ポートフォリオとして成り立っていません。
例えば、長時間労働を強いられる店舗への異動や、パワハラ上司のもとで働くことになった場合、薬剤師事業にフルコミットしているtomoyuki kato株式会社は大きくダメージを受けてしまうでしょう。
こうならないために、tomoyuki kato株式会社は何をすべきかというと、薬剤師事業以外の何かを始めることです。
そこで、残業をやめて早く帰り、WEBメディア運営事業を始めたとします。
そうすると、以下のようにtomoyuki kato株式会社のリソースは分散されるわけです。
【tomoyuki kato株式会社】
- 薬剤師事業:60%
- webメディア運営事業:40%
このようにリソースが分散されると、tomoyuki kato株式会社は薬剤師事業でダメージを受けたとしても、薬剤師事業にフルコミットしている時よりかはかなりマシになります。
長時間労働を強いられる店舗への異動や、パワハラ上司のもとで働くことになった場合でも、薬剤師事業から撤退するという選択肢を持てるからです。
tomoyuki kato株式会社の経営者は通訳案内士資格を持っています。
そこで、これらに加えて外国人観光客向けの通訳案内業に参入したとしましょう。
そうすると、さらにリスクは分散されることになります。
【tomoyuki kato株式会社】
- 薬剤師事業:45%
- webメディア運営事業:35%
- 通訳案内事業:20%
これが薬剤師個人にポートフォリオを適用させるという考え方です。
薬剤師個人がポートフォリオを考えるメリット
ポートフォリオについての説明が終わったところで、それを薬剤師個人が適用するメリットと注意点について解説します。
ポートフォリオを考えるメリットは3つある
薬剤師個人がポートフォリオの考えを適用させるメリットは3つあると僕は考えています。
メリット1:リスク分散ができる
まず、先ほども紹介した通りリスク分散をできます。
薬剤師免許への依存度が下がるので、仮に「もう薬剤師の仕事、無理すぎる・・・」と思ったとき、薬剤師としての仕事量を減らしたり、辞めることも可能です。
人生の選択肢が増えると考えてもらえればなと。
メリット2:会社を絶対視しなくなる
薬剤免許への依存度が下がると、会社を絶対視しなくなります。
例えば、長時間労働を強いられたり、パワハラ上司のもとで働くことになった場合でも、「頑張らないと、この会社でのキャリアがヤバくなる」と思わず、「この会社、クソだからとっとと辞めよう」という考えることが可能です。
さらに言えば、以下の記事で取り上げたような犯罪にも巻き込まれにくくなります。
ポートフォリオの話を聞いて「ただ副業をやってるだけじゃねーか」と思った人もいるかもしれません。
ただ、副業を「生活の足しになればいいな」と考えているのと、「薬剤師をやっているのは、ポートフォリオの一つに過ぎない」と考えているかでは大きな違いがあると思います。
「生活の足しになればいいな」くらいの考えだと、どんなに理不尽なことがあったとしても逃げるという選択肢を取りづらいですが、「薬剤師はあくまでも事業の1つ」という考え方をしていれば、会社への精神的依存度が低いので撤退という選択肢を取りやすいのです。
近年、過労死とかメンタル系疾患が問題になることが多いですが、これは会社への精神的依存度が高すぎるがゆえに生じやすくなるのだと思います。
そういった意味で、ポートフォリオの考え方は、こういったリスクを回避できるので人生を充実させる有効な手段となるでしょう。
メリット3:視野が広がる
3つ目のメリットは、視野が広がること。
ポートフォリオの考え方を適用すると、薬剤師以外の仕事もするようになります。
それが自分の視野を広げてくれるのです。
例えば、僕はプログラミングをやるのですが、プログラマの美徳の1つに「Laziness(怠惰)」があります。
要するに、「面倒な仕事は効率化してうまくサボろうぜ」ってことなのですが、プログラミングを本格的にやる前は強く意識したことがなかったので、初めてLazinessの考えを知った時は、けっこう衝撃でした。(詳しくは以下参照)
「学生時代のスティーブ・ジョブズがカリグラフィの講義にたまたま潜り込んだことが、Macに美しい書体を実装させるキッカケになった」なんて話もあります。
このように分野を超えてチャレンジし、自分にとって新鮮な考え方に触れるメリットはかなり大きいのです。
ポートフォリオを考える時の注意点
一方で、ポートフォリオを考える場合、注意点もあります。
薬剤師としての専門性が中途半端になる
まず、薬剤師としての専門性が中途半端になります。
薬剤師免許への依存度を下げるためにポートフォリオを組むということは、薬剤師事業にフルコミットしないということです。
当然、薬剤師以外に何かをやる場合、フルコミットしている薬剤師に比べると能力は落ちてしまいます。
個人的には、フルコミットしている薬剤師もポートフォリオを組んでいる薬剤師も、どっちも必要な存在だと考えているのですが、なかには「中途半端なやつだ!」とよく思わない人もいるということは覚えておきましょう。
より詳しくは以下の記事に書いたので、興味があればどうぞ。
副業禁止の職場が多い
2つ目が、副業禁止の職場の方が多いという点です。
僕が転職活動をしていた時、転職コンサルタントに「副業OKの会社を紹介してほしい」と伝えたら、あまりないと言われていましました。
副業禁止の会社の方がまだまだ多数派のようですね。
なので、選べる職場の幅が狭まってしまいがちです。
会社に副業がバレるキッカケは、たぶん住民税だと思います。
会社員の場合、特別徴収という方法で住民税を取られますが、副業である程度稼いでいると住民税がアップしてバレてしまうのです。
バレないためには確定申告の際に、普通徴税という方法で住民税を納めればバレにくくなるのですが、バレると色々と面倒なので副業禁止の会社で副業するのは個人的にはオススメしません。
そもそも「副業がバレる・バレない」という考えはおかしくて、日本国憲法では「職業選択の自由」が保証されているので、会社の副業禁止規定は明らかに憲法違反だと思います。
このように「副業する自由」は平等に与えられているわけですが、なぜか「憲法よりも就業規則の方が重要」と考えている人が多いので、副業をやりたいのであれば、副業を認めている職場に転職することをオススメします。
副業については以下の記事に詳しく書いたので、興味があればチェックしてみてください。
まとめ
以上、「薬剤免許への依存度を下げたい人は、ポートフォリオを考えたら良いんじゃない?」という話でした。
個人的にはとてもオススメなので、薬剤師免許への依存度を下げたい場合は、ぜひ取り組んでみてください。
参考になれば嬉しいです。
では!