ちきりんさんの『自分の意見で生きていこう』を読んだので感想や学びについて書いていく。
『自分の意見で生きていこう』はどんな本か?
著者はちきりんさんという有名な社会派ブロガーだ。
ブログやTwitterで、さまざまな社会問題についてご自身が考えたことを発信されている。
ちきりんさんは今までに生産性や自分の頭で考えるとはどういうことなのかといったテーマで今までに何冊か本を出されているのだけど、本書は自分の意見を持つことの重要性がテーマとなっている。
なぜ自分の意見を持つことが重要かと言うと、自分の意見が明確でないと満足のいく人生を送るのが難しいからだ。
どんな会社で働くか、どんな場所に住むのか、どんなパートナーと人生を共にするのかなど人生における重要度の高い問題は、たいていの場合、絶対にこれが正解だという解がない。
こういった正解のない問題に対して自分なりの答えを出して進んでいくことによって、自分の人生は作られていく。
このように自分の意見を持つのってすごく大事なことなわけだが、「どうやったら自分の意見を持てるようになるのか」というところまで解説してくれている点が本書の特に良いところだと思う。
おすすめなので人生に迷子になっている方はぜひ。
『自分の意見で生きていこう』の印象に残った内容
印象に残った箇所について書いていく。
問題には「正解がある問題」と「正解がない問題」がある
自分が悩んでいる問題・解きたいと考えている問題には、「正解がある問題」と「正解がない問題」がある。
正解がある問題とは、算数の計算だったり、生き物の生態などを指す。
そして正解がない問題とは何かというと、「2つの会社から内定をもらっているけど、どちらに就職するべきか」、「消費税は何%にするべきか」といった問題のことだ。
これらの違いは何かというと、考える必要があるかという点である。
正解がある問題は調べれば答えを出せるけど、正解がない問題は自分なりに考えて自分で意見を出す必要がある。
自分が今抱えている問題は、これらのどちらに分類されるのかを最初に見極めないと、いくら時間をかけても答えが見つからないという落とし穴にはまってしまう。
自分の意見を「絶対にこうだ!」と思い込めないのは考える量が足りないから
正解がない問題に答えを出すには考えることが必要である。
どれくらい考える必要があるかというと「自分は絶対にこうだ!」と思い込めるまで考えなければならない。
考え切れていないと、誰かがら意見をもらった時に自分の考えがブレてしまう。
自分の意見を言うための情報収集法
あまりにも前提知識がなさすぎて意見を言えない場合は、調べる前に「この情報があれば、自分の意見は明確になる」という情報項目を書き出す。
調べられる量にも限界があるので、今ある情報が全てと割り切って考えることも大事。
自分で自分の意見に突っ込む
自分の意見に考え漏れがないかを確認するには、自分の現時点での意見の反対ポジションをとって突っ込んでみると良い。
例えば、ある問題に対して賛成のポジションをとったら、反論を10個書き出してみる。
そして出てきた反論に対して反論する。
さらに反論の反論に対して反論してみる。
これを繰り返すことによって、自分の意見を論理的に説明できるようになる。
『自分の意見で生きていこう』を読んだ学び
今後に活かしたい学びについて。
「悩む」と「考える」は違う
自分は悩むことを「考える」に含めてしまっていることがあるなと反省した。
自分なりの答えを出すために考えるわけなので、「悩んでいるな」と感じたら自分はどういう情報があれば意思決定できるのかをまず整理するようにしたい。
どれくらい考えれば良いかの目安は絶対にこうだと思えるか
自分の中でどれくらい考えれば良いかのラインが明確になっていなかったのだが、「絶対にこうだ!と思えるまで」という目安は分かりやすくて良かった。
まずポジションを取って、それに対する反論をぶつけるという順番で考えれば、自然と自分なりの意見を整理できるので実践しようと思う。
Twitterで流れてくるニュースなどを題材にして考えてみるのはやってみたい。
正解のないことについて自分の意見を言える人には大きな価値がある
最近プロダクトマネジャー(PdM)という職種が引っ張りだこになっているが、PdMはまさに「自分はこういうプロダクトを作りたいんだ!」と自分なりの意見を持ってプロダクト開発をする仕事だ。
本書には自分の意見を持って仕事をできる人はめちゃくちゃ少ない的なことが書かれていた。
だからこそPdMの市場価値は高いのだろうなと。
幅広い専門性が求められるからPdMは市場価値が高いと思っていたが、その価値の本質は自分のポジションを明確にしてプロダクト開発を引っ張っていけるからなのだろう。
今までの専門職は正解のある答えに対して素早くリーチできるところに価値があった。しかし、IT技術の進歩でこの価値はますます下がっていく。
専門性があるのは前提条件として、専門家の視点から自分の意見をちゃんと言えているかを自問自答しながら仕事に取り組んでいきたい。
おわりに
人生のほとんどの悩みって正解のない問題だし、正解のない問題への回答の積み重ねが自分の人生を作っていく。
本書はより良い人生を形成するための道標になってくれると思うので、どのように生きたら良いか分からなくなっている方はぜひ読んでみてほしい。