「薬剤師がドラッグストアで働くってどんな感じなんだろう?」
たしかに気になりますよね。
薬局や病院の方が仕事内容をイメージしやすい人の方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では
- ドラッグストアで薬剤師が働くメリット・デメリット
- どんな薬剤師がドラッグストアに向いているのか
などについてまとめてみました。
この記事を書いている僕は、新卒で調剤併設型ドラッグストアに新卒で入社し2年くらい働いていました。
なので、多少は参考になるかと思います。
では本題へ。
薬剤師がドラックストアで働くメリット・デメリット
さっそく、僕が薬剤師としてドラッグストアで働いていた時に感じたメリット・デメリットについて紹介します。
薬剤師がドラッグストアで働くメリット
僕が感じた薬剤師がドラッグストアで働くメリットは以下の3つです。
メリット1:給料が良い
ドラッグストア勤めは給料が良いです。
僕の場合は新卒の時で年収500万円くらいだったので、社会人1年目にしてはかなり良い生活を送れていたんじゃないかなと思います。
最終的に2年くらいドラッグストアで働いていたのですが、稼いだお金で語学留学もできました。
お金が全てとは思いませんが、ある程度お金を稼げると精神的にもゆとりが出るし、選べる選択肢も広がります。
なので、「特に将来やりたいこともない」という薬剤師とかは、とりあえずお金を稼ぐためにドラッグストアに入社するのはアリかなと。
メリット2:調剤だけでなく市販薬の勉強をしやすい
最近は市販薬が充実している調剤薬局も増えてきました。
しかし、やはりドラッグストアに比べると、どうしても品揃えは劣ります。
新しい市販薬が発売されればほぼ取り扱いがあるので、市販薬の情報をキャッチアップするにはドラッグストアが1番良い環境でしょう。
僕はドラッグストアを辞めた後はずっと薬局勤務なのですが、薬局で市販薬の相談に乗るとき「ドラッグストアで働いていた経験が活きているな」と感じることが多いです。
また調剤併設型ドラッグストアであれば、OTC販売にプラスして調剤の経験も積めます。
「調剤経験を積みたいから薬局に就職する」という時代は完全に終わっていて、もはや薬局で経験できることはドラッグストアでもだいたい経験できるのです。
メリット3:設備投資がしっかりされた環境で働ける
大手のドラッグストアなら設備投資をしっかりしているので、快適に仕事をしやすいです。
薬局だといまだに紙薬歴を使っていることがあるみたいですが、ドラッグストアではほぼないんじゃないかなと。
他にも調剤ミスが起こらないよう鑑査システムを導入していたり、薬歴の音声入力ができたりとテクノロジーを有効活用しています。
最近だと、トモズが調剤ロボットの導入をして話題になっていましたね。
アナログ環境だとミスを防ぐことは難しいし、何より生産性が上がりにくいです。
そういった意味で、ドラッグストアなら最新の設備で働くチャンスがかなり多いと思います。
薬剤師がドラッグストアで働くデメリット
ただ、実際にドラッグストアで働いてみて、いくつかデメリットも感じました。
デメリット1:日曜・祝日は出勤のことが多く、終業時間が遅い
ドラッグストアは土日・祝日関係なく営業しているので、日曜・祝日も出勤のことが多いです。
もちろん休み希望を出せば日曜・祝日でも休むことはできますが、土日祝日休みの友人と予定が合いにくくなったのは個人的に大きなデメリットに感じました。
またドラッグストアの終業時間は遅いです。
僕が勤めていた店舗は23時まで営業だったので、遅番(23時まで)からの早番(8時出勤)みたいなシフトだった時はしんどかったですね。。
残業に関しては、あくまでも僕の経験上ですが、薬局よりもドラッグストアの方が長いと思います。
もちろん残業の少ないドラッグストアもあるので、ドラッグストアで働くことを考えている場合は、採用担当者や転職コンサルタントに確認しておきましょう。
デメリット2:薬以外の雑務をやらないといけない可能性がある
2つ目のデメリットが、薬以外の雑務をやらないといけない可能性があるということ。
個人的にはこれが1番嫌でしたね。。
ドラッグストアでは、薬以外にもお菓子・乳製品・パンなどの食品も扱っています。
そのため、食品を陳列したり発注したりする仕事もあるわけです。
僕が新卒で入ったドラッグストアは、この仕事を薬剤師もやることになっていました。
(逆に薬剤師は薬の仕事だけやるというドラッグストアもあるらしい)
「食品の陳列とか発注はやりたくない」と就活している時の僕はずっと思っていて、採用担当に「薬剤師職はやらなくて良いんですよね?」と確認していたにも関わらず、食品関連の仕事をやるハメになったので、正直いまだに根に持っています。
なので、新卒でドラッグストアに入ろうと思っている薬学生は、学校の先輩に聞いてみたり、営業中のドラッグストアを訪問して薬剤師がそういう仕事をしてないか確認しておいた方が良いです。
絶対に人事の言うことを鵜呑みにしてはいけません。
ちゃんと自分の目で確認しましょう。
一方、転職でドラッグストアを考えている薬剤師は、しっかり採用担当に確認した上で、転職コンサルタント経由でも確認しておくことをオススメします。
コンサルタントという第3者が介入することにより、「言った・言わない」のトラブルが起こりにくくなります。
デメリット3:モンスタークレーマーに遭遇しやすい
僕の経験上、ドラッグストアは薬局に比べるとモンスタークレーマに遭遇しやすいです。
なぜかというと、ドラッグストアの方が1日あたりの客数が多いから。
仮にモンスタークレーマーに出会ってしまう確率を1%、薬局の客数が100人/dayでドラッグストアの客数が1000人/dayだとすると、前者は1日1回、後者は1日10回モンスタークレーマーに遭遇するということになります。
ただし、そのぶん良い思い出として残るような人との出会いもたくさんあるなと僕は思いました。
僕が最初に勤務した店舗に、体調の悪いおばあちゃんが市販薬を買いに来たことがあったのですが、症状を聞いた限り受診勧奨をした方が良さそうだったので、病院に行くようアドバイスをしたんですね。
で、診察のため病院に行ったら、重大な病気が見つかったのです。
(プライバシーの問題があるので詳しくは書けない)
「早いうちに処置できたおかげで重症化しなくて済んだ」とのことで、とても感謝されました。
その人は僕の異動が決まったときには、菓子折りを待ってわざわざ挨拶をしに来てくれてとても感慨深かったです。
このように素敵な出会いも多いので、ドラッグストアはクレーマーと出会うことも多いけどクレーマーばっかじゃないということだけ付け加えておきます。
ドラッグストアで働くのがおすすめなのはこんな薬剤師
まとめると、ドラッグストアで働くのに向いているのはこんな薬剤師だと思います。
【オススメ】
- お金を稼ぎたい
- 調剤だけでなく市販薬の販売もやりたい
- 新しい設備で働きたい
- 平日休みの方が嬉しい
薬剤師がこれからの時代ドラッグストアで働くのはアリだと思う
これからの時代、ドラッグストアで薬剤師が働くのはかなりアリだと思います。
理由はたった1つで、ITの活用に力を入れているからです。
企業の時価総額ランキングを見ると、AmazonやGoogle、マイクロソフト、Facebook、AppleなどIT企業が上位を占めています。
なぜIT企業がこんなに儲かっているかというと、単純に生産性が高いからです。
テクノロジーの力を積極的に活用しているドラッグストア業界は、これからさらに伸びていくでしょう。
イオンも瀕死。ドラッグストアに客を奪われ没落する大手スーパーという記事によると、この10年間でドラッグストアの市場規模は1.5倍ほどに増えているんだとか。
ITを活用していない職場はこれから確実に衰退していきます。
そういった意味で、ドラッグストアは選択肢としてかなり良いんじゃないかなと。
ドラッグストアの薬剤師を小馬鹿にしている薬剤師が小馬鹿にされる時代になった
ドラッグストアで働く薬剤師を小馬鹿にしている旧式薬剤師はけっこういると思います。
僕も薬学生の時「病院で働いた経験がないと薬剤師免許が腐る」と言っていた病院薬剤師原理主義者に会ったことがあります。
けど、こういったことを言っている薬剤師は、視野が狭いか頭が悪いかのどっちかなので気にする必要は全くありません。
ちょっと考えれば分かることなのですが、病院薬剤師、薬局薬剤師、ドラッグストア薬剤師では求められる仕事が違うので、単純にどっちが上でどっちが下かみたいな比較はできないからです。
もちろん、先ほども書いた通りメリット・デメリットがあるので、全員が全員ドラッグストアに向いているとは思いません。
けど、ドラッグストアに興味があるのであれば、経験として働いてみるのはかなり良い選択肢だと思います。
薬剤師なら転職も簡単なので、気になっているなら周りの声に惑わされず、とりあえずドラッグストアで働いてみると良いでしょう。
やらぬ後悔よりやる後悔です。
まとめ
まとめると、薬剤師がドラッグストアで働くメリット・デメリットはこんな感じです。
【メリット】
- 給料が良い
- 調剤だけでなく市販薬の勉強をしやすい
- 設備投資がしっかりされた環境で働ける
【デメリット】
- 日曜・祝日は出勤のことが多く、終業時間が遅い
- 薬以外の雑務をやらないといけない可能性がある
- モンスタークレーマーに遭遇しやすい
あくまでも僕の感想ですが、僕が実際にドラッグストアで働いて思ったメリット・デメリットはこんな感じでした。
参考になれば幸いです。
では。